香典返し豆知識

香典返しとは……

「香典」とは、もともと「香」=霊前にお供えする香・線香+「奠」=お供え物という意味の漢字をあわせて「香奠」という漢字が使われていました。つまり、香典とは弔問客が個人の冥福を祈って、その象徴・対価として供えるものでした。そのため、忌明けには弔問客にお礼のあいさつに伺う、あるいはあいさつ状を送ることでもって感謝の気持ちを伝えていました。そして、自分のところで不幸があった際にはいただいた香典を香典帳に記しておき、今度別の家で不幸があったときには同じだけを返すというのが、その頃の決まりごとでした。
ところが、相互扶助の意識や共同体という意識も次第に薄れ、“個”としての成り立ちが強くなり、葬儀以外の場面においても贈答品の習慣が定着しはじめるなかで、贈り物をいただいた際には、その都度、お返しをするというのが一般的になっていきました。そして、香典が現在のような金銭の形へと変化するなかで、香典をいただいた方々に対して、忌明けの報告の意味も込めて、「香典返し」を贈るようになりました。

香典返しの時期

香典返しは基本的に忌明けの頃に挨拶状を添えて送るのが一般的です。
忌明けの時期は、仏教であれば四十九日の法要後、キリスト教であればカトリックは30日目の追悼ミサ、プロテスタントは1ヶ月目の昇天記念日の頃、神道であれば五十日祭(または三十日祭)の頃となります。

《参考》 四十九日までは中陰

仏教では、亡くなった瞬間から四十九日の間に、六道(地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天)のいずれの世に生まれ変わると考えられています。この冥界の旅を「冥土の旅」と呼んでいます。
死者は、7日目に最初の裁判官「秦広王」の法廷に立たされた後、三途の川を渡ります。そして二七日に初江王、三七日に宋帝王、四七日に五官王の裁きを受け、いよいよ五七日には閻魔大王の裁きを受けることとなります。その後、六七日に変成王、七七日に太山王の裁きを受けて、故人がどの世に生まれ変わるかが決まるのです。
この冥界の旅を「冥土の旅」と呼んでおり、この期間を「中陰」と言います。そして四十九日目は中陰が満了するので、満中陰と呼ぶのです。

香典返しが不要な場合

  1. 子どもが小さい場合や、おつき合いの程度によっては、香典袋に「香典返し不要」と書いて香典返しを辞退されることがあります。残された遺族の生活を思いやってのことですから、ありがたくお気持ちを尊重すればいいです。但し、お礼状には丁寧にお礼を述べるようにします。
  2. 香典返しをする代わりに以下のような団体や基金・機関などに寄付をすることがあります。全額を寄付にあてずに、香典返しの一部を葬儀当日にお渡しした簡単な返礼品で済ませ、残りを寄付にあてることもあります。
    ・日本赤十字社 ・ユニセフ ・ボランティア団体 ・ガン基金などの基金 ・福祉団体 ・研究所や大学などの公的機関 ・町内会・同窓会など
    この場合でも、寄付をした旨をあいさつ状にしたためて、あまねく会葬者に周知するのが礼儀です。

他にも、弔電やお悔やみの手紙のみをいただいた場合なども香典返しは不要です。ただしお礼状は送ります。

香典返しの金額の相場

香典返しはいただいた金額の2分の1~3分の1程度が目安と考えると良いです。
ただし親族からいただく香典は高額の場合が多いですが、この場合は故人への供養の気持ちがその分だけ多く込められていると受け取るのが慣例のため、半返しとは考えずに1/3~1/4程度が目安と考えるのが一般的です。

香典返しの品物

いわゆる「消えもの」=食べたり使ったりすることで消えて無くなるものがよく用いられます。具体的には、お茶、海苔、お菓子、砂糖、タオル、ハンカチ、せっけん、洗剤、入浴剤など、食品や生活用品、実用品があげられます。ただし、あくまでも喪家から先方へ伝える感謝の気持ちとして決めるようにしましょう。
たまに、会社の代表者あてにシーツとか毛布など、会社では到底使うことのない品物を贈る人がいますが、これなどは何も考えていない感じがして、むしろ失礼と言えます。
つまり、金額に応じた機械的な香典返しではなく、相手様の事情にふさわしい品物選びが大切なのです。

香典返しの表書き(のし紙)

香典返しには、弔事用熨斗紙(のし紙・掛け紙)をかけるのがマナーです。
熨斗紙の水引きは「黒白結び切り」が一番使われますが、大阪や京都などの関西地方や一部の西日本などでは「黄白」を用います。
表書きには、個人の宗教によって異なりますが、「志」は宗教を問わずに使えますのでもっとも一般的です。
また、表書きの下(水引きの下)には喪主や差出人の苗字のみを記します。

宗教 表書き(読み方) 備考
志(こころざし) どの宗教の香典返しでも使える表書き
仏式 忌明志(きあけし)
満中陰(まんちゅういん)
満中陰志(まんちゅういんし)
四十九日(忌中)が明けたことに対する感謝の意味
死後四十九日目を満中陰と呼ぶことから
満中陰をより丁寧にした書き方
神式 偲草(しのびぐさ)
偲び草、しのび草
茶の子(ちゃのこ)
今日志(きょうし)
三十日祭か五十日祭の後に送る場合の書き方
偲草と同じ
ささやかなものという意味
 
キリスト教 感謝(かんしゃ)
粗品(そしな)
昇天記念(しょうてんきねん)
 
 
プロテスタント

のし紙の種類

  • 【黒白結び切り】
  • 【黄白結び切り】
のし表書き

※当店では、あらゆるご要望にお応えしております。詳しくはお問い合わせ下さい。

香典のお礼状の書き方

香典返しに添えるお礼状は、ちょうど忌明けの頃に送るため「忌明けの挨拶状」「忌明けのお礼状」とも言われます。
お礼状の書き方は以下のとおりです。

  • 印刷した書面 を、会葬者に送ることもあります。文中に句読点「、」や「。」は用いません。
  • 冒頭に季節を表わす挨拶文を入れる必要はありません。拝啓などの頭語と、敬具などの結語は両方入れるか両方とも無しにします。
  • 故人の名前を必ず入れます。
  • お礼を述べます。忙しい中を時間を割いて葬儀・告別 式に参列して頂いたことへのお礼および香典を頂いたことへのお礼を必ず盛り込みます。
  • お礼状はあくまでも略儀です。本来なら直接お目にかかってお礼を申し上げるべきところですが、書状によるご挨拶となってしまった旨を伝えます。
  • 差出人の名前を必ず入れます。会社として送る場合には、葬儀委員長の名前を先に書きます。

【文例】